広島大学
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概要

西日本ブロックの三次被ばく医療機関について

内閣府原子力安全委員会は、JCO事故の痛ましい教訓を踏まえ、我が国の緊急被ばく医療体制のあり方について4つの答申を纏めました。これら答申の骨子は、患者の重傷度に対応した初期(軽傷)、二次、三次(重傷)の緊急被ばく医療体制を整備し、いざというときに連携して治療が出来るネットワークを作ることです。その中で特に強調されたのは、高度な被ばく医療ができ重症患者の最終的な受け入れ機関となる「地域の三次被ばく医療機関」を整備することでした。この答申に基づき文部科学省は、この様な機能と実績を有する機関を選考し、平成16年に西ブロックでは広島大学を、「地域の三次被ばく医療機関」として選定しました。広島大学には、原爆医療の長年の実績があり、放射線障害の研究と治療に関する様々な分野の専門家が揃っています。さらに最近では、文部科学省の21世紀COEプログラム「放射線災害医療開発の先端的研究教育拠点」も採択となり先端的な研究や医療が展開できる体制も整備されつつあります。この様な実績が評価されてこの度の選定を受けた事は、たいへん名誉なことだと思っています。

緊急被ばく医療の理念は、「いつでも、どこでも、誰でも最善の医療を受けられる」という命の視点に立った救急医療、災害医療の原則に立脚することです。一方、緊急被ばく医療の実際では、救急救命医療の他、血液内科、皮膚科、内科等の全臨床的な集学的医療が必要であるのは勿論のこと、この医療の特徴として線量評価や放射線防御の専門家を始め、消防や自治体関係者の協力が同時に不可欠です。この様にこの医療には、広範な分野の専門家の参加が必要ですが、これら関係者が的確に協力し合い最善の医療を実施するためには、包括的で一元的な対応が出来る体制の整備も非常に重要です。さらにこの医療の難しい点は、希にしか起きない事故に対して、いざと言うときに何時でも機能出来るように医療体制を準備しておく必要があることです。この様な特殊な医療をいざというときに実践出来るようにするため、広島大学では「緊急被ばく医療推進センター」を設置し、以下の三つの事業を実施して参ります。
1)初期及び二次被ばく医療機関,並びに行政との緊急被ばく医療体制を整備するための諸活動と地域協議会の運営
2)広島地区の基幹病院等との協力体制整備のための被ばく医療協力機関会議の運営
3)被ばく医療研修活動

これらの事業を通していざと言うときに緊急被ばく医療体制が最大限に機能するように努めて行きたいと思います。

一方、緊急被ばく医療体制の大きな課題の一つは、この特殊な医療を担う次世代の若手医師や研究者を養成していく必要があることです。広島大学では、教育機関であることを最大限に利用し、この分野の専門家の育成にも努力をして参いりたいと思います。放射線障害の研究と治療は、ゲノム科学や再生医学を巻き込んだ先端的学術領域になっており、この様な学術を推進し若手育成を行うことは、広島大学の大きな特徴と成っています。拠点形成プログラムの活用等によって魅力あるプログラムを実施し次世代の専門家を養成し,持続的発展の可能な緊急被ばく医療体制の構築に努めてまいります。

関係各位のご支援,ご協力を心よりお願い申し上げます。

国立大学法人 広島大学 緊急被ばく医療推進センター長
原爆放射線医科学研究所 所長・教授
神谷研二

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